数は価値なのか

武井壮さんというタレントさんの名前を、つい最近知った。たぶん、彼の顔や名前をどこか見かけていたんだろうけど、私はテレビもネット*1もほとんど見ないので、認識していなかった。

なぜ、彼を知ったのかというと、たまたまたどり付いたブログで、彼の講演を絶賛していたからだ。

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彼がその複雑な生い立ちにおいて、いかに生きてきたか。理想の動く体を作るべく、メソッドを作り上げた努力。スポーツを職業にして食べていくことについての現状と困難。やはりタレントさんだけあって、語り口調も上手で、ひきこまれた。でも、たった一つ、納得できないことがあった。それは「物事の価値を決めるのは求める人の数である。」という部分だ。そうなのだろうか。数は価値なのか。

確かに、沢山の人に喜んでもらえる、求めてもらえるというのは素晴らしいことだと思う。物を売る時はそれだけ数が出たかをはかる。

数から生まれるエネルギーや経済効果は計り知れない。数が世界を動かしているといってもいい。武井壮さんの言うことは正しいし、否定する気はない。でも、すべて納得はしない。
たとえば、希少な病気に生まれて、何かの医療器具に頼らなければ生きていけない人たちがいるとする。いや、実際いるのだと思う。その少数の人たちが、日常を健やかに送ることのできる医療器具を作るメーカーは、あきらかに「少数」しか顧客を持たない。でもそれは、それが「大勢」の需要があるものに比べて、価値が低いとは、私は思えない。
 彼の講演に寄せられたコメントは、賛同賛美の嵐だった。武井壮さんは頭が良いと思う。複雑な生い立ちから這い上がったハングリー精神もすごいし、努力の人だと思う。でも、彼の話を聞いていると、その目指す場所が「経済価値」一点なのは否めない。

どこの誰ともわからない私の言葉より、芸能人の彼に賛同する人が、まちがいなく多いと断言できる。
それどころか私の意見に対しては、聞いてくれる人すら、まずいないと思う。やはり、それが数の力というもので、数に関してはどうあがいても完敗だ。

講演は子供に向けて「大人になっても夢はかなう」ことを見せてあげるということで、しめられていた。

私は子供たちに向かって「数は価値」とはいいたくない。「数」が生み出す価値というものがあることは認めるけど、「数以外にも価値はある」と言いたい。抵抗していきたい。

 

 

 

 

 

*1:ネットはブログの更新やメールのチェック、たまに調べもの程度。テレビは、まれに見たい番組を録画してみるくらい。

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