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ロシアの夜には火花が似合う

飛行機がモスクワのシェレメチェボ空港に到着。

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実は、モスクワの空港は、初めてではない。2X年前の海外旅行の際、乗った飛行機がモスクワ空港に立ち寄ったのだった。
その時は、ロシアはまだソ連だった。空港はこんなにきれいじゃなく、夜だと言うのに電気をほとんどつけず薄暗かった。当然売店やカフェなどほとんどなくて、トイレにあるトイレットペーパーはロールじゃなくて紙の束で置いてあった。……といっても、もう2X年前のことなので記憶がおぼろげだ。
発った空港がパリのシャルルドゴール空港だったので、同じ国際空港でも、落差に驚かされたのだけは確実な記憶だった。
それが、今は普通の空港。
なにせ4半世紀以上前のこと。モスクワはモスクワでも、ソ連じゃない、ロシアなのだ。

成田空港であまりにもスムースに飛行機に乗れて気が緩んでいたせいか、入国カウンターではなく乗り継ぎカウンターに並んでしまいそうにになった。
私はぼんやりしているので、気を抜くとすぐ目的とは違う方向に行く。このままでは気がついたらベーリング海の船上でカニ漁をしているなんて事になりかねない。
たった3泊5日だけど、しっかりしなくては。

 目的地であるベラルースカヤ駅に行くために、アエロエクスプレスに乗らなければいけない。*1
そのためには、まずやっておかなければいけないミッションがあった。
アエロエクスプレスの切符を買うため、ATMでルーブルを下ろすことだ。(アエロエクスプレスのチケットはクレジットカードも使えますが。)
スキミングに注意」「暗証番号を入れる際は、入力が面が見えないように片手で隠す」「小売店では5000ルーブルは嫌がられるから4900ルーブル下ろすことがおすすめ」日本で調べてきた情報が頭の中で、ぐるぐるまわる。
それより、肝心のATMがどこかわからない。行ったり来たりしていたら「え?こんなところにがATM?」と言うような場所にATMはドカンと置いてあった。日本のATMのように、ちょっとした目隠しもない。こんな公衆の面前で、お金を下ろしていいものか、さらに5分くらいATMの前のベンチに座り、迷った。その間に、ATMで現地の人(推定)がお金を下ろしていった。現地の人が使うなら、大丈夫なのかな。
腹をくくって、ATMの前に立ち、ロシアのATMマニュアルを思い浮かべ、スキミングされませんようにと祈りながら、カードを差し込んだ。

ATM VS 私。
ボナンザと対局する棋士のごとく、私はその一手一手を慎重に、指した。
負けられぬ!人として、たかが機械には負けられぬ!!
苦闘する事、数分。
「ありません」と投了の言葉のかわりに、ATMはカードと現金4900ルーブルを吐き出した。
ファイナルファンタジーの『勝利のファンファーレ』が流れた。(気がした。)
全人類の声援が聞こえた。(幻聴ですね。)
なにかの経験値もアップしたに違いない。(多分。)
ATMへの勝利に酔いしれる私だが、この後、アエロエクスプレスの券売機に死闘を挑まれるのであった。
ATMからお金下ろすだけに、どれだけの文字数を割いているのだ。

 

ファイナルファンタジーの勝利のファンファーレをリンクしておきます。

www.youtube.com

 

 

アエロエクスプレスの乗り場は、到着したターミナルDから思ったより遠かったけれど、電車のマークをちゃんと見失わなければ、ちゃんと着けた。

ロシアなのでキリル文字表記。空港なのでまだ英語表記があります。

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旅行会社のJさんは「アルファベットと数字さえ読めれば大丈夫。」という言ったけど、それよりもロシアについてからはピクトグラム(絵文字)に助けられている方が多い気がする。

 

 

アエロエクスプレス。赤い。座席も赤い。

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アエロエクスプレスは空港からベラルースカヤ駅へ直通。乗車時間35分。
スタンダード席は次から次へと埋まっていく。私はもちろん窓際を選んだ。
これから本物の「世界の車窓から」in ロシアが始まる、と思った矢先、隣の席に座ったアジア人の青年に拙い英語で「韓国人ですか?」と話しかけられる。
携帯がwi-fiに繋がらなくて困っているとの事だった。私を見て同国出身であることを願ったのだろう。*2
私は韓国語は一切話せないけど、あまりにも困っているようだったので、ipodを取り出し、wi-fiがつながるか、いっしょに試してみた。
拙い英語同士であーでもないこーでもないと、二人で端末をいじっているうちに、ベラルースカヤ駅に着いてしまった。
落ち込む彼に、持ってきた飴をあげた。彼はそれを口にその場で放り込み、降り際に私に「サンキュー、バイバイ」と笑った。
wi-fi、どこかで繋がるといいね。バイバイ、良い旅を。(私も降りるのだけど。)
35分の間に「世界の車窓」を見る機会はなかった。


ベラルースカヤ駅。

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シェレメチェボ空港を使う多くの人はこの駅を利用する。
駅前の雰囲気は、私のイメージは日本の「上野駅」だった。
駅そのものはよい感じに古さがあって、人も車も多くて埃っぽい。煙草の吸殻がいっぱい落ちていて(歩き煙草の人が多い!)、光るおもちゃを売るテキ屋みたいなお兄さんがいたりする。
ファーストフード店も多く、駅前のビルには日本でもおなじみのケンタッキーフライドチキンがあって、K・F・Cの文字が高々と掲げあった。日本で駅前のファーストフードといえば、マクドナルドだけど、ロシアではKFCの方が勢いがある感じだった。
治安の心配をしたが、駅前は明るく、一人でいても危険はなさそうだった。

私の3日間の拠点となるホテルは駅から近く、迷うことなくたどり着けた。
テレビつき、無料wi-fi、シャワーのみ、全館禁煙。朝食ブッフェつき。
フロントは英語が通じるから安心、といいたいけど私は英語もよろしくない。もっとも、コミュニケーション能力自体が酷いものだけど。
とにかく、3日間のモスクワで、完全なプライベートの空間を手に入れた事にほっとした。
荷解きの前に、気がかりだったipodの充電をしようとコンセントを探した。
当然の事ながら、日本とはコンセントの規格が違う。あらかじめ日本で購入したロシア規格のC型変換プラグに充電器をつなぎ、コンセントに差し込んだ。
その瞬間、私は火花を見た。
ピース又吉の本ではない。
本物の火花がコンセントから散ったのだ。
焦げるにおいがしたので、あわててプラグを引っこ抜くと、ipod様が昇天されていた。
せっせと日本で出発前に詰め込んできたモスクワ情報も、ネット接続も、一瞬ですべて、消失してしまった。
思わず笑ってしまった。なんて面白すぎる事が起きてくれるんだろう。
初日に、これから陣営を築くホテルで、最初に行ったことが焼きipod一丁作るなんて。
くだらない。実に、くだらない。
気が済むまでゲラゲラ笑った後、機内食から何もお腹に入れていなかったことに気がついた。
荷解きを軽く済ませて、ホテルと目と鼻の先にある、Sさんからおすすめのカフェに行った。(英語メニューがある)
ケーキとカフェラテを注文。異国での初のオーダーにしては、まあまあの出来だったと思う。
話には聞いていたけれど、ロシアの乳製品は本当に美味しかった。カフェラテの牛乳が日本の牛乳と質が違った。

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私は何か食べると、自動的に機嫌が良くなる単純な生き物だ。
機嫌が良くなったところで、ipodに頼ろうと思っていた事をピックアップして整理した。
何かあった場合の連絡→ホテルの電話か公衆電話でかければいい。
買い物の計算→細かい数字の場合はざっとした数字にして暗算、あとで検算すればよし。
目覚まし機能→ホテルのフロントにモーニングコールを頼む。(英語でなんていえばいいかテンパりそうだけど。)
本部までの道のり→過去の本部訪問した人がネットにあげてくれた「駅から本部までの道のり」の地図を思い出しながら、行くしかない。
なんとでもなる、と思った。
もともとスマホを使っていなったので、情報管理をすべて電子の端末に集中していなかったのが幸いしたのかもしれない。
そういえば、日本でipodにネットの情報を詰め込んでいた時、その便利さに帰国後、スマホに替えようと思っていた。
今回の件で、その決意が、ちょっと萎えた。

明日はとうとう、モスクワ本部でのミカエルセミナーの日だ。
この日のために、この一ヵ月半の間、奔走していた。
到着の半日だけでも色々あったけれど、とりあえず眠る。

 

 

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*1:空港からバスやタクシーを利用する人もいる。

*2:アエロエクスプレスはwifi-freeとなっている