「それだけ」を学ぶ

モスクワ滞在二日目。
この日は朝と夜にあるザイコフスキーさん(以下ザイコ氏)のクラスに参加した。

本部前。この日はしっとり雨模様。

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敷地内。道場がある建物の入り口。

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モスクワ本部には地元の生徒さんはもちろん、世界各国のシステマ団体から学びにやってくる。
道場に入ると、あきらかに「東洋人」の団体さんがいた。全員全く知らない人たちだったので、システマの首都圏外の団体さんが来ているのかと思ったら、台湾からだった。
その中で一番年かさの男性が私に流暢な日本語で話しかけてきた。
「私はKと言います。Hさんから日本人女性が一人で来ると連絡がありました。なにかあったら言ってください。」
驚いて、最初なにがなんだか、意味を整理するのに時間がかかった。
Hさんとは、日本のシステマでは古株で、私が通う団体でよくお会いする人だ。モスクワ本部にも何度も来ていて、自ら団体も立ち上げている。
Hさんには確か、私はモスクワへ行くとは告げていなかった。
SNSがある今の時代、システマに集う人たちの多くが顔見知りだ。
誰かが私のモスクワ行きを心配して、Hさんに話し、Hさんが同じ日程で日本語話せる人を探して連絡してくれたのだろう。
私はシステマでは基本的に単独行動だ。団体行動が苦手で、おそろしく行動が外れる。迷惑かけたくないので、自然とそうなってしまった。
ましてや、日本は創始者ミカエル・リャブコ氏のご子息ダニール・リャブコ氏のセミナーの直後。その熱が冷めやらぬ中、今回のモスクワ行きは誰一人私に気にかける人はいないと思っていた。
自分が思っているより、愛されているのか、心配されているのか。
これまでの行いを思うと後者の方が有力……。


朝の部のクラスは蹴りが中心の内容だった。
ステマ台湾(台北)の人は全員が全員、すごく上手で驚いた。自国でもかなり練習しているのがうかがえた。
そもそも、とんでもないどへっぽこなのに、わざわざモスクワに来る私の方がどうかしているのかもしれない。自国で練習しろって私。

 

本部で売っていたシステマ×プーチンTシャツ。システマTシャツはいろいろあるけど、プーチンの顔入りは初めて見た!!プーチンの顔があるだけで本部の物販コーナーが一気に土産物屋っぽくなっていた…。

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夜の部は「動きの力」を利用するワークだった。
「筋力や体重、勢いの力を使うな。動きの中で生じた力を利用しろ。」
「それには自分だけじゃなく、相手も、空間もすべて感じろ。」
ザイコ氏は、日本でのセミナーでは、その都度、新しいキーワードを披露して、新鮮な気持ちをくれる。
インストラクターとして参加者に楽しんでもらうため、わかりやすくするためだろう。
でも、私がモスクワ本部で習って感じたのは、ザイコ氏の根底にあるものは常に変わらない。「感じろ。」ただ、それだけ。
多くの格闘技は拳に体重をいかに乗せるか練習する。そのために、腰の回転や足の踏ん張りの力を利用する。
ステマはそこから違うから、他の格闘技を長くやってきた人は感覚をつかむため苦労するかもしれない。いや、実際苦戦していた。日本でシステマを習っていると、有名な「ストライク」というパンチの技だけを知りたくて、参加して来た人は、みな「???」という雲をつかむような顔をしていた。
自分を、相手を、全てを感じる。ただそれだけ。それだけのものが、わからない。

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夜のクラスに台湾の方たちは来なかった。観光かしら?

 

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